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ワタベラ雑記帳

メンヘラ雑記。生きづらさ考察、創作、本、映画、音楽。

Watabera Miscellaneous Notes

さよなら、鈍い感受性

のんのんびより過激派

 

  のんのんびより過激派。

 

  2013年にアニメ「のんのんびより」が放送されて以降に増加した、地方(俗に言う田舎)を対象にテロ行為を行う人々の総称である。

 

  中東に存在するテロ組織同様に非常に宗教色が濃く、のんのんびよりという作品(以下同作品)やそれに登場する人物などを過度に神格化しているのが特徴。

 

  しかし、のんのんびより過激派はある一つのまとまった組織ではなく、前述の行為をする人々をまとめたカテゴリに過ぎない。

 

  指導者の指示によってテロ行為が行われているのではなく、個々人が他人との連携なくスタンドアローンに破壊活動を行っているのだ。

 

  勿論集団によるテロという例外もあるが、その場合はテロ実行の必要性に対してネット上等で招集がかけられるのであり普段から組織性のある行動はとっていない。

 

  その為、同作品に対する神格化にも個人間によって様々な違いが見受けられる。

 

  基本的にKADOKAWA メディアファクトリーから出版された同作品の漫画(原作)を聖典として扱うことは共通しているが、リミックスである同アニメを原作と同格で扱うかそれとも聖典によって産まれた二次教典として扱うかなど過激派内部でも派閥が分かれる。

 

  どちらかと言うと前者の方が数が多く、後者を「原理主義者」という嘲称で呼ぶ風潮すらある。

 

  これは同作品がネット上での知名度を獲得したのがアニメ放映後のことで、過激派の内多くがそこで作品を知った為アニメに重きを置いていることに由来している。

 

  また、原作者の漫画家あっと氏に対する扱いもいくつかに大分される。

 

  同作品を作り出したあっと氏こそが神であるという唯一神派、あっと氏はイスラムにおけるムハンマドの役割を果たしただけという預言者派などが存在する。

 

  他にも、主人公である宮内れんげ至上主義者や前身読み切りの「とことこ」こそが真の聖典であると主張する者、声優を登場人物と同一視する者、キャラクター個人個人ではなく「のんのんびより」という作品そのものが我々に天啓を捧げる為の意思を持った存在なのだと主張する者など信仰の仕方は多岐に渡り、体系的な分類をするのは非常に難しい。

 

  しかし、実際にテロ行為に走った者全てが同作品に対して異様な執着を見せており彼らのテロへの原動力もそこにある。

 

  同作品のファンは、共に遊び時に協力し時にからかいながら成長していく美少女キャラを観ながら彼女たちが暮らしている"田舎"という舞台に少なくない好感と一種の憧れを抱いている。

 

  多くの健常なファンはそれに留まるので何の問題もない。ここで、過激派たちに共通しているのは「実際に田舎を訪れる、もしくは田舎に移住する」という行為である。

 

  ファンたちは作品中の理想郷を求めて、もしくは美少女キャラは存在しなくてもあんな長閑な世界が広がっているだろうと田舎を訪れる。

 

  しかし実際の田舎は遠い、訪れても何がある訳でもないかもしれない。勿論作中の人物たちはそこにはいない。現地の住民が彼らに優しくしてくれるとは限らないし、寧ろぞんざいな扱いをされる可能性だってある。

 

  とは言っても一度の田舎訪問でそこまで酷い思いはしないだろう。最ものんのんびより過激派への危険因子となるのは田舎への移住である。

 

  交通の不便さ、少ない娯楽やお店、見つからない仕事、そして何より既に構成された密接な関係性に入れずに陰湿な排他行為を受けること。これらが重なることにより、同作品のファンは現実の田舎に絶望してしまう。

 

  そこで田舎と離れるという選択肢を取らずに怒りの矛先を向けたのがのんのんびより過激派である。

 

  のんのんびよりのように優しくない、いやそれどころか冷酷ですらある田舎など存在しなくてよい。自分の手で破壊してやる。

などと考えた過激派は各々の手段を用いて全国の田舎でテロを起こし始めるのだった。

 

  以下に具体的な事件を紹介する。

 

  2014年3月31日、岐阜県北部の寒村で放火が行われる。

 

  21時頃に村内の十軒からほぼ同時に火の手が上がりうち三軒が全焼、五軒が半焼、二軒が部分焼という被害をもたらした。死者は逃げ遅れた老人が三人、軽症者が八人となった。

 

  被害現場に時限装置のついた簡単な機械が残されており、犯人はこれを使ったものと推測された。

 

  しかし、火の放たれた家屋は同じ村にある以外に共通点はなく無差別的な犯行で動機は見当もつかない状況が数日続いた。

 

  同年4月5日22時、岐阜県美濃市の交番に私服の青年が現れ当番中の警官に「先日の放火は自分がやったことだ」と伝えた。

 

  すぐに岐阜県内関警察署に任意同行された青年は犯行に使用した装置の材料や逃走経路等の犯人しか知りえない情報を述べた為、その場で逮捕。

 

  青年は19歳の浪人生で、二度目の受験に失敗しておりそのストレスからの犯行かと思われたが自分が犯人だと証明して以降一切の供述をしなかった。

 

  それはともかく犯人の身柄が確保された為、これからしばらく報道は加熱するだろうがやがて事件は終息へと向かうと思われた。

 

  しかし翌々日の4月7日、SNS上に容疑者が投稿したのだと思われる文が発見され、ネット上で拡散される。

 

  のんのんびよりという作品に対する異様なまでの肯定や絶対化、そして実際に田舎において受けた嫌がらせ、犯行の決意から当日の詳しい行動までが記されたその記事は瞬く間に広がり、ワイドショーの看板ニュースを数日間揺るぎないものにした。

 

  奇しくも犯人が自首した翌日の4月6日はアニメのんのんびよりの二期の発表がTwitterでされた日であり、多くのファンが喜び再びあの世界を観ることが出来ると胸を躍らせていた。

 

  だが、凶悪放火犯の犯行動機として名前は出されなくてもほぼそれだと分かるようにマスコミに報道された同作品は二期の製作中止を余儀なくされ、4月9日にそれを発表した。

 

  待望の二期の製作中止というニュースは同作品のファンを憤らせ、結果的にこれがさらなる過激派の登場を生むことになった。

 

  同年5月23日、島根県南部で同様の放火事件が発生。

 

  今度は一軒だけで部分焼に終わり死傷者も出なかったが、事件後すぐにTwitter上に犯行声明がアップされた。

 

  犯人はそこで自らを「のんのんびより過激派」と称しており、以後その呼び名が使われるようになる。

 

  犯人は同作品を見て大阪から地元に戻ったフリーターだったが、働き口が見つからずニートとして生活していた。

 

  同年5月28日、愛媛県の地方でバスジャック。

 

  乗客は犯人の他に老婆一人で、最終的にパトカーに周りを囲まれ人的被害もなく身柄を確保された。

 

  その際に「れんちょんはどこ!!!」と連呼する様子がテレビカメラに捉えられ全国のお茶の間を震えさせた。

 

  同年5月30日、アニメの公式サイトにおいて原作者のあっと氏からのメッセージが掲載された。

 

  自分や作中のキャラクター共に他人を傷つけることは望んでいないこと、もう二度とこのようなことは起こさないで欲しいことが主だった内容だった。

 

  これを受けてネット上でののんのんびより過激派の勢いは多少衰える。

 

  特に前述したあっと氏こそが唯一神であると考える派閥はその怒りを収めていった。

 

  しかし、一部はあっと氏のこの行為をのんのんびよりという作品に対する裏切りと捉え、脅迫状を送る者もいた。

 

  結局以降も散発的に同様の犯行が起こり、2015年にのんのんびよりは戦後の日本国憲法下で初の発禁図書に登録されたのだった(飽きた


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