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Watabera Miscellaneous Notes

人生やめてません

113回国試直前当日記

 

113回医師国家試験受けて来ました。

 

自己採点だと必修92%パンリン83%でした。夏から見たら(個人的には)かなり頑張った。禁忌もみんコレのでは1個しか踏んでなかったし、それも明らかな禁忌でもなかったので気にしないことにしました。落ちたらもう仕方ない。

 

勉強法や教材の選択なんかはまた纏めて書く予定なので、記憶が新しいうちに超直前期から本番までの思い出を書いていきます。適当にお読みください。

 

 

◯1週間前〜3日前

徐々に不安が強くなって勉強に集中出来なくなる。3年分の知識が抜けるのが怖くなって早く受けさせてくれと願い始めた。直前系講座の復習と3年分の必修の復習、究極MAP、サマライズの暗記事項、QA公衆衛生付属問題の復習なんかをやっていた。

 

5日前ぐらいからmedu4のプチ演習セットを合間時間にやり始める。暗記事項ばかりで頭がトロトロだったが、知らない問題を解くと急に緊張感が出てきてよかった。使っていたセットは必修セット、公衆衛生セット、10年前〜5年前過去問セット。公衆衛生セットは暗記事項の刷り込み、必修は暗記+本番知らない問題が出てきた時の思考練習。3つ目は問題を1からちゃんと読んで考えて解く練習。問題を読んで考えて解く練習は本番の為に必要だと思っていたし、実際本番もスムーズに問題に入れてたからよかった。あと初見の問題が解けたり、必修過去問で80%超え続けたりすると精神が安定した。心の為にもグッド。

 

 

◯2日前

究極MAPの全然覚えてない部分。蛍光黄色マーカーで塗った。丁度いい明るさのペンがなくて大事なマップが目に痛くなってしまって後悔した。が、1日経つと慣れた。マイナーが真っ黄色になって笑った。

 

3年分も触れたかったが覚えれなかった部分の付箋などをしていなかったのでスルーした。medu4禁忌やラストメッセージ、QA必修などを復習した。後は演習セットで気を紛らわせた。勉強中の震えが止まらなくなる。

 

 

◯1日前

マップの黄色線を暗唱して覚えようとしたが気力が湧かずひたすら眺めた。

 

プチ演習セット必修で6点問題が出ていないことに気づいて自作セットで取り組むが普通に間違えてしまいやめる。

 

班員と景気付けに夕飯を人気店に食べにいくも人気すぎて寒空の下1時間半待つ。我々は阿呆であった。その間KSR予想メールを覚えたり、友人の3年分復習クイズに答えたりした。KSR予想メールの内容がマップの「皆の知識が薄い事項」をカバーしていたので9500人に送るのはやめてほしいなど思ったりした。傲慢か。

 

結局印刷した予想メールを色ペンで分かりやすくしてザッと見て布団へ。結局そんな簡単には眠れず11時ぐらいに就寝。

 

 

◯本番1日目朝

6時に眼が覚める。いつも7時に起きていたのに。仕方ないので予想メールとマップを流し読みして時間を過ごす。朝ごはんは白湯とカロリーメイトゼリー。腹痛へのマネジメントは大事。会場に着いて隣の人が意外と近いことに気づく。カンニングする奴もいそうだと思った。

 

Aブロック開始前の説明がかなり長い。顔確認などあまりにも仰々しい作業が続き、ただ待たされる合間に我々の精神はすり減っていった。そしてAブロック開始。

 

 

◯Aブロック

112A1とA2が極悪難易度だったので覚悟していたが、今年はそうでもなかった。ただ強直性筋ジストロフィーの合併症は覚えてなかった。

 

全体としては難問が多いが二択までは絞れた場合も多かった印象。確実に分かる問題もチラホラあったので安心できた。ラストに計算問題が出現、LDLの推測式など覚えていなかったので取り敢えず引いておいた。普通に違った。

 

一通り解き終わってかなり眠いことに気づいたので、気分転換も兼ねてトイレに行くも全く眼が冴えずちょっと焦る。仕方ないので◯✖️とx2-3とマークミスだけチェック。ここで禁忌チェックをしていなかったせいで後で不安になる。今から振り返るとパンリン最難関はここだった。

 

 

◯Bブロック

国試の闇、必修。Eブロックと合わせて8割ないと即死。今回も開始前にかなり待たされ、この問答は終わるまで続くのだと悟る。待ち時間の間は考えることがないので眠くなりそうになって大変だった。

 

8問目で波動が認められるx線画像を選べという問題が出現。画像読解に難があるマンなのでビビる。あからさまなイレウス画像があるがイレウスは波動ではなく振水音が認められるという過去問を思い出し、腹部全体が白い画像を選ぶ。というかそれ以外何の所見の画像なのか分からなかった。

 

病理診断に使う溶液(1敗)やRAの関節外病変(1勝)など知らない問題が来て焦る。臨床問題突入早々にまたドレーンが抜ける(1年ぶり2回目)。しかも今回は残り5cmが体内残るという中途半端な仕様。悩んだがバイタルセーフだしまず現状確認だろと思いx線を撮った(1勝)。

 

その後地獄のB33-B38ゾーンに突入する。6問連続でコイントス状態が続き気が滅入る。BCLの手順の適応がいまいち分かっていない、シンプルに英語が読めない、ドパ受容体作動薬の定義が分かってない、整復がどういう概念か分からない、神経原性ショックで下肢挙上までするのか分からない、尿量が微妙なのに輸液減らすのが怖いなど、B中盤にして勉強の穴が露呈しまくる(3勝3敗)。英語問題はbの選択肢が身体診察な気がして頭中で「病歴症候身体診察!」という声が響いたが、これでもし普通に造影CTだったら悲惨だと思ってクリニックにはないはずのCTを撮った。講師速報で正答率3割ないし仕方ない……よね。

 

そこからの問題は易化したが、Bが終わった時必修の結果について考えるのをやめた。

 

 

◯Cブロック

皆言っているが影が薄い。割と簡単なイメージだったが今確認したらそこそこ間違えていた。最大胎児心拍数がエルレのオータムソングより速い問題が出て笑った。3年分は大事。

 

テストゼミと予想メールのNOMIが出現。他選択肢が微妙だったのでNOMI選んでみたら不正解であった。予想系は適当に流すとリスク。ただちゃんと勉強しようにも資料がないので如何せん。

 

分かりやすい問題が多くBの恐怖が多少上書きされて気が楽になる。

 

 

◯1日目休憩時間

必修終了後、案の定答え合わせ会議が発生する。幸いそこまで近くなかったのでイヤホンだけでネタバレ回避出来た。不安なのは分かるが、答え合わせをする権利があるように答え合わせをしない権利もあるのでその辺を考慮した立ち振る舞いをする選択肢はなかったのだろうか。メンタル弱い人は絶対イヤホンか耳栓持っていった方がいい。予想外のタイミングでミスが判明すると心は死ぬ。

 

Cブロックから事前説明に「靴を脱ぐな」が加わる。その時は(どんだけ足臭い奴いるんwww)などと思っていたが、実際はカンニング対策だった。当たり前か。

 

 

◯1日目終了後

帰り際に同級生が「明日も今日ぐらいの必修だったら大丈夫だな」と言ってるのを聞いてしまい焦る。「8割ないのでは」という不安が沸き立ち、答え合わせをしたい衝動と戦い始める。取り敢えずコクタマ(予想)メールを覚えていくうちに眠くなって寝た。

 

 

◯2日目朝

Twitterが阿鼻叫喚になっているのを見て採点しなくてよかったと思った。自己採点には諸説あるがメンタル弱い人はミスってた場合にリアルに立ち直れないのでやめた方がいい。ただ1日目の内容が結構2日目に出たので微妙だった部分だけ復習するのはアリ。メンタルが強くてここまでの得点で禁忌対策などの方針を取りたい人は自己採アリ。

 

2日目になると来ない人がいるのではと期待していたが、自分の周囲は全員来ていた。

 

 

◯Dブロック

各論は難しいと覚悟していたが、Aよりは簡単な雰囲気。上咽頭癌→滲出性中耳炎や他人の手などマップが確実なヒットを飛ばし心の中でHZMの名前を叫ぶ。

 

今まで見たことも聞いたこともない結晶誘発性関節炎が予想メールから出題されてビビる。メックは真っ黒なのか?

 

状況を考えると経過観察だがワンチャン禁忌みたいな問題が頭を悩ませる。禁忌ってヤバい人(or運悪くヤバいと誤解された人)をカットする為の非常線であってそんな武器みたいに使うモノじゃないでしょ。オラよぉ!!

 

 

◯Eブロック

8割地獄再び。Bの成績は気にしないことにしていたが、仮に8割ないならここで挽回するしかない。簡単になるのを祈るばかりだった。結局内容は前日より簡単だった気がするが、知らないと解けない問題が多かったので人によってはシンプルな地獄が広がっていた可能性もある。

 

そして終盤、おち●ち●に無痛性の潰瘍がある男性の症例、さらに治療選択肢にペニシリン。ここにきて出題者の優しさに涙が溢れそうになる。しかし、しかし、症例文に燦然と輝くアンピシリンアレルギーの文字。ファッ!?生まれてこの方人間の善なる部分を信じ続けてきた私にとって必修出題委員のこの叛逆は俄かには理解出来なかったモノだった。何で!?何で8割必要な必修のしかも1.5%を占める臨床問題で2ndチョイス聞いてくる訳!?!?いやいやいやこれで1年間決まったらどうしてくれるん!?しかもこれ気づかずにペニシリン踏んだら禁忌じゃん!!怒りに震え必修落ちに怯え悩みに悩んで…………私はニューキノロンを選んだ(1敗)。

 

不安を抱えた人間の気持ちを理解出来ていないのが本当は誰なのか、もう一度良く考えてほしいよ。

 

 

◯Fブロック

取り敢えず暗黒の必修時間は終わったので一息ついて最後の戦いへ。パンリンについてはボーダーより上だと思われたが、にわかに禁忌が頭のなかで踊り始めた。おーAブロックから延々と禁忌を気にせず進み続けてきた。インフルは帰宅させ(1勝)、脳梗塞後の高血圧も経過観察した(1敗)。果たしてこの時点で私の敗北が決定していたりしてはいないか。そして考えるのをやめた。

 

一般問題でヘルパーT、バーベック顆粒とまたマップがヒットを飛ばしHZMに愛を誓った。

 

全体として平易な問題が多いイメージで、難はあってもスルーして進み続けラストの計算問題を解きケアレスミスを確認して私の113回医師国家試験は終わった。

 

 

◯終了後

必修が気になり全く開放感のないまま講師速報に解答を入力していく。そして当たり前のように鯖落ちする講師速報。結果を確認することもないままに飲み会へ。陰キャの癖に飲み会に来たことを同期女子にdisられ、国試と別腹の痛みを抱えたまま帰宅した。家で静かに答え合わせするつもりが別の飲み会の二次会に我が家が利用され、結局完璧に採点出来たのは講師速報の解答が出揃った翌日昼12時だった。

 

 

◯113回の問題に関する感想

HZMは易化したと評した113回、確かにシンプルに考えれば解答に至る問題も多かった。しかし、正解選択肢か禁忌選択肢か紛らわしい問題が連発し、受験生の心労は易化の一言で片付けれられるものではなかった。明らかに厚労省は112回の禁忌地獄をちらつかせてきており、人間の悪意に触れた国家試験だった。

 

また、一般では知識一発問題が乱立するなか、臨床問題は状況ごとに考えさせる問題が非常に多く臨床重視の流れがより強くなっていた。疾患と治療の一対一対応を覚えるだけでなく、文章中の所見を拾い集めて患者をイメージしその場その場で最も有用な行動を選択することが求められていた。頻出疾患や医療常識を頭に入れたうえで問題毎に深く潜って総合的な判断を下す練習が必要になりそうだ。橋本環奈と結婚するつもりで一生童貞を貫くような理想の高さを感じた。

 

 

◯漠然とした感想

ひたすらに疲れた。9割受かる故に、必修や禁忌の罠故に、就職が決まっている故に恐ろしい重圧が心臓を絞め続けた1週間だった。本当にもう二度と受けたくない。4月からちゃんと犬か人間か分からないレベルで労働に勤しむのでどうか合格させて下さい。M5よ、地獄はこの大地の上に実在したぞ。

 

以上。上に書いたけど、勉強計画や教材のレビューはまたします。Twitterでも春休み中は時々書くので参加にしてね。そりでは。