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Watabera Miscellaneous Notes

人生やめてません

雑記 とらのあな新地~壁から床から乳と承認~

 

 一介のオタクなので、オタクの聖地秋葉原に遊びに行ったりする。そこまで通いつめてはないから、大体秋葉原の表面だけをなぞって終わる。ディープな部分はよく知らない。そんなだから、秋葉原に来たときに行く場所は大体決まっている。ブックオフとらのあなである。ソフマップはあまり行かない。アニメのグッズとか買わないからかもしれない。

 

 という訳で、昨日、秋葉原でお決まりの場所を巡って本やらなんやら買ってきた。

 

 ブックオフに関して、別に特筆することはない。秋葉原駅中央改札口から右へしばらく、高架下へ向けて右折したところ、うなぎの寝床みたいなブックオフ。結構階数があって6階ぐらいまであった気がする。秋葉原にあるくせに大して品揃えがよくない。100円コーナーにあまりいい本がない。ブックオフ乞食としては嬉しくない。買うと決めていた本を見つけたので、それを買った。432円。

 

 とらのあなは、漫画、ラノベ、2次元関係のCD、ゲームなどを売っているオタク向けの店である。特に、同人誌(いわゆる薄い本)の販売で有名だ。とらのあな秋葉原店Aの上階にも大量の同人誌が売られている。勿論、漫画やラノベも結構な品ぞろえである。オタクしか見てないブログで説明しても仕方ないけど。

 

 電気街のメインストリート沿い、メイドたちが客引きをしている一角に、とらのあな秋葉原店Aは建っていた。オレンジのひさしで猫耳の女の子のイラストが語りかけてくる。

 

 僕は入店するたびに、匂いでとらのあなに来たことを実感する。室内に入るとすぐ、爽やかでどことなく甘い匂いで鼻の穴の中がいっぱいになる。別に嫌な感じはしない。しかし、店内にほのかに香らすにしては、匂いが強すぎる。「いい匂いするでしょ!でしょ!」と押しつけてくる。結局、甘い匂いのなかに酸っぱさを感じとって、この匂いはオタクの汗臭さを誤魔化すためのものと理解する。でも、僕はこの匂い、そんなに嫌いではない。匂いが鼻に来た瞬間に、あぁオタクの店に来たなと、ある種覚悟めいた思いを抱くからだ。

 

 とらのあな秋葉原店Aも奥に長い。奥にはエレベーターがあり、その両側に階段で上階へと続いている。1~3階は漫画とかラノベ売り場、4階から上は同人誌売り場である。5~7階の同人誌は18禁である。

 

 しかし、僕がとらのあなで毎回来ているのは地上階ではない。地下である。プロのポタクはご存じであろうが、あの地下空間はまさに異世界である。とらのあなの、まさにその虎穴を紹介したい。

 

 1階入ってすぐ右、地下へ降りる階段がある。客はその階段でしか地下へ降りることができない。 階段を降りていくと、

 

 階段の壁に乳、乳、乳、乳、乳乳乳乳乳乳乳…………

 

 壁中におっぱいモロ出しポスターが貼ってあるのだ。視線をどこに向けてもおっぱいが見える。二次元美少女たちが皆裸体を晒している。彼女らの肉体は非常に肉感的にみずみずしく描かれていて、見る者の精巣に響く。そう、地下1階はエロ漫画(18禁商業誌)売り場なのである。

 

 乳階段を降りて、いざ商業誌売り場にたどり着く。さすれば、先ほどを超えた数の乳首があなたを待っている。棚に飾られた漫画の表紙の女の子たちが腕を広げて、現実じゃあそう出会えないサイズの乳房をたたえている。床の広告にもおっぱい。棚に貼ってあるポスターにおっぱい。あと天井は……覚えてない。とにもかくにもおっぱい。空間全てがピンク色で満たされている。乳天国?乳地獄?ちなみに陰部は法律的にダメなのか、ポスターでも上手く隠してあったり、モザイクがしてあったりした。

 

 地下1階にいると、「あなたの性欲もコンプレックスも、なにもかも赦してあげる」という目線が、そこらから囁きかけてくる。その目線の主も当然、裸体を曝した二次元美少女たちである。エロ漫画で裸体のシーンなんて大体セックス前後なんだから、『身体を許した相手にむける目線』ばかりが地下1階に交叉しているのだ。乳だけじゃなくて承認もあの空間に溢れている。自己肯定感が足りない人は一日中とらのあな地下1階で過ごしたら改善するかもしれない。

 

 我々は、肉欲の対象として精密に創りあげられた、二次元美少女を買う。そしセックス、つまり肉体的な快楽と、身体を入ることを許される承認の両方を、バーチャルに体験するのだ。そのために、顔出し美少女たちがところせましと並んで買われるのを待っている。飛田新地とよく似ているのだ。地下1階は、とらのあな新地だ。

 

 飛田よろしく、売っているエロ漫画の種類も色々である。姉、妹、JK、ギャル、巨乳、品乳、百合……etc.探したら男の娘ものもあるのかもしれない。尤も、妖怪通りの嬢みたいな年齢のキャラはエロ漫画には出ないだろう。

 

 話を客側に移す。エロ漫画で性欲を発散させようとするだけあって、冴えない印象の男が多い。もちろん、女性はいない。1回見た気もするけど。ひと目でオタクといわかる太ったおじさんとか、最近いいことなさそうな顔をした青年が多い。大体その辺。昨日は、白髪のおじさんもいた。妻子がありそうな顔しながら、JKものを数冊積んで持っていた。もしいるのなら、おじさんの子どもが女の子ではないことを祈るばかりだ。道に外人は多いが、地下1階には少なかった。中東系顔の青年が一人大きな目で背表紙を眺めていた。あと、多動なのか首を小刻みに振りながら、本棚に顔を寄せて背表紙を凝視しているやつがいた。流石に怖かった。ヒカキンみたいな顔をした典型的なオタクもいた。僕だった。前、白人が地下1階への階段の途中でその異様な空間を見渡し、「oh〜wwwwww、crazywwwwwwwww」とだけ叫んで、また上に上がっていったことがある。たしかにクレイジーだから仕方ない。

 

 とらのあな新地で虹の女の子を漁る我々の共通点として、全員目が真剣である。なぜなら、この空間に入ってくるには覚悟が必要で、この覚悟が目つきを鋭くしてしまうからだ。1階の入り口は人通りも多い。その横で地下1階への階段を出入りするのは、「エロ漫画買い行くんだ」「エロ漫画買ってきたんだ」と周りにバレバレなのである。そのデメリットを越えたメリットを生み出さなくてはいけない。みな、よい成果を手にしようと熟考している。二次元美少女たちは自らの裸体を晒し、最大限の承認を向けてくる。と、同時に我々も真剣な眼差しで彼女らと向き合っているのである。上の階では、18禁エリアでも談笑などが聞こえるが、ここのお客たちは黙っている。聞こえるのは少し静かなBGM、垂れ流されるエロアニメの喘ぎ声、店員の声くらいである。我々は黙々と作業をすすめる。場の雰囲気には常一本張りつめた線のような緊張感がある。

 

 レジは地下1階に用意されてある。我々は長旅の末に辿り着いた至高の1冊(人によっては数冊)を、レジで本当に自分のものにする。しかし、今はもう慣れたが、なかなか恥ずかしい。店員相手に、「というわけで、これで抜きます」と伝えているようなものだ。店員は男だし、そんなこと微塵も気にしていないだろう。だけど、こっちはやはりどことなく恥ずかしい気分になる。だって自分の性癖をバラしているのだからね。

 

 さっき一瞬書いたように、地下1階には実は漫画以外のエロも陳列されている。エロアニメDVD、エロゲ、官能小説などである。官能小説はリアル路線とラノベ路線の2種類がある。リアル路線は、女子大生家庭教師、性の教えとかそんなタイトルである。昔ながらである。ラノベ路線は、異世界に転生したらエルフのハーレムに祭り上げられヤリたい放題、みたいなタイトル。景気がよくてよろしいって感じだ。

 

 官能小説の棚を眺めながら、自分がこの種の小説を読んだことがないことに気づいた。小説に出てくる性描写は読んだことはある。しかし、本格的な官能小説に手を出したことはないのではないか……。

 

というわけで、官能小説を買いました!!

 

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 め◯ん一刻みたいだ(読んだことないけど)。

 

あらすじボロアパートの管理人に思いを寄せる主人公は、なかなか一線を越えられない。別の美女住人に筆おろししてもらい自信をつけた主人公だが、はたして本命の管理人と深い仲になれるのだろうか……』

 

 なんかsch◯◯l daysみたいだな。

 ともかく、面白そうなので、読んだらまたブログに感想でも書きます。

 

 

 

 そんな感じで、とらのあな秋葉原店A地下1階は、甘い性と承認でいっぱいな空気と、真剣そのものの客のおかげで、日常から遠く離れた異空間になっている。なので、雰囲気を感じるだけでも大きな衝撃がある。男に限らず、女性も観に行ったら面白いと思う。

 

 ただし、カップルで行って「うわぁ〜キモ〜いwww」などのたまい、オタクにマウンティングするのは決してやってはいけない。もしやってしまったら、壁のポスターというポスターの乳首の部分から銃口が飛び出し、2人をただちに蜂の巣にするであろう。親に結婚を反対されてエロ漫画売り場で心中するとで決めていたならば、それでもよいけどね。


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