イキりオタクを叩くたび、お前もイキりオタクに一歩近づく
イキる者、そしてそれを叩く者
「イキりオタク」というワードがある。
イキリト構文しかり、#私がキレたらどうなるか、しかり。
また、似たような概念として「自分語り」がある。
これを読んでいる人は、
イキっていないと断言できるか?
まず、イキりオタクは「よし、これからイキるぞ!!」
つぎに、あなたの自尊心はおおよそ満たされているだろうか?
さらに、
以上3つより、「イキりオタク」や「自分語り」というネットスラングを知っているような環境にいる時点
イキり、自分語りは人生を殺す
ネットでイキってしまうのは、今やかなり危険なムーブである。
またリアルでイキるのも、
つまり、
という訳で、我々は常に自らのイキりに警戒する必要がある。昔、
イキりアラート、してますか?
さて、イキり防止法を考えていかなくてはならない。
「イキりアラート」、そのまんま、イキりそうになったら鳴るアラートである。
イキりや自分語りは、自尊心を回復するために行われる。つまり、
どういうことか。
つぎに、滑稽な行為に付随してくるあの高揚感を記憶する。自分が言動で失敗する直前にいつもどんな気分になっているのか考える。躁に近い気分が共通しているはずだ。
そして、自分がツイートとしたり話そうとしたりする前に、
「
「
「自慢話になっていないか」
「
「
要はTPOだ。TPOに反するなら、黙っておくか他人の話を聞くほうが、円滑なコミュニケーションを呼ぶ。
まとめ
オタクは、そのつもりがなくても、ネットとリアルともにイキり行為で他人を不快にしが
みなさま、よきコミュニケーションを!
ジョジュツ オブ ザ デッド
「コウくん、あっち、ドア!!」
ミチルが叫ぶ。薄暗くてよくわからないが、たしかにミチルの指差すほうにはドアがあるようだった。そこから逃げられるかもしれない。
後ろを振り向く。廊下いっぱいの屍人がよろけながら近づいてきていた。見知った顔も混ざっている。ゾンビ、ゾンビ、ゾンビ。奥の方まで途切れなく群は続いていた。
ここに迷い込んでから三日、生きていると断言できるのはもう俺とミチルだけだった。一緒にきたサークルのメンバーは殆ど奴らに噛まれ、嘔吐発熱痙攣を経て、動く死体の仲間入りをした。途中でゾンビの群れに飲み込まれてそれ以来見ていない奴もいる。
「コウくん!!なにしてるの!!はやく!!」
ミチルに腕を引かれて我に返った。走る速度が遅くなったのか、俺はケーイチ(だったもの)に顔面を掴まれそうになっていた。持っていたパイプでケーイチの左腕を殴りつける。腕はありえない方向に曲がったが、もう痛みを感じないケーイチは右腕を伸ばしてきた。頭を低くしてそれをかわした。
ミチルに並んで走る。たしかに突き当たりにあるのはドアだった。小窓から光が入っているようにも見える。外に出られるかもしれない。しかし、そのドアの周りに逃げ場はない。アレが開けられなかったら終わりだ。ミチルもそれが分かったのか自分の選択を後悔しているようにも見えた。もう分岐点にはゾンビたちが来ている。今更戻れない。
屍人の群は足を引きずりながらこちらに迫っていた。先頭の一人がバランスを崩してこけた。その上を後から来たゾンビたちが唸りつつ踏みつけて通り過ぎる。踏まれたゾンビがノイズのような叫びを喉から漏らしていた。やがてその音が別のゾンビたちの鳴き声に埋もれた。
ミチルより一歩早くドアに着いた。ノブを捻る。固く、回らない。鍵がかかっている。それを見たミチルの顔が青ざめた。もう逃げ場はない。
「コウくん……」
「ミチル……蹴破るぞ!!」
ドアは古びてはいるが金属製だ。蹴破る前に俺の足が折れるかもしれない。しかし、もはやなりふり構っていられない。俺はできる限りの力でドアを蹴り込んだ。ガツンとあまりに重たい衝撃が踵の骨に伝わる。もう折れたぐらいに痛い。横でミチルも一生懸命ドアを蹴っている。しかし、ガツン、ガツンと鳴るだけで、ドアは動かない。
屍人たちが近づいてきていた。もう10メートルもない。
「クソッ!!」
鍵だけで破壊出来れば、とドアノブの周辺を蹴りつけた。少し感触があった。いけるかもしれない。
「オラッ!オラッ!開けよオラッ!」
蹴った、蹴った。蹴りに蹴りまくった。右足は痛みが響きすぎて、いつ蹴りがドアに当たったのかも分からなくなっていた。しかし、カギが壊れつつある感触は間違いない。あと少しだ。
「コウくん!!!!」
屍人がミチルに摑みかかろうとしていた。俺は右手だけの力でそのゾンビの頭にパイプを叩きつけた。そいつは痙攣して倒れたが、また別のゾンビが手を伸ばしてくる。
「ミチル!!ドアノブを捻りながら思いっきり押せ!!もうちょっとで鍵が壊れる!!」
青ざめた顔のミチルがドアノブを掴んで押す。嚙みつこうと口を開いたゾンビの頭をパイプで突く。右から俺に掴みかかろうとする奴にパイプのケツを叩きつける。頭蓋骨が砕ける音がした。
幸い、この廊下は狭くゾンビたちも一斉には襲ってこれない。しかし、次々手を伸ばしてくるゾンビを薙ぎ払うのに精一杯で、ドアはミチルに任せっきりだった。
「ミチル!!頼む!!」
「あとちょっと!!あとちょっと!!!!」
ミチルが半狂乱で叫ぶ。俺はその間にまた一つ頭を潰した。両手でパイプを横に払って、ゾンビ三匹の頭を一気に片付ける。また嫌な音がして、ゾンビの眼窩から血が吹き出る。足首に感触。下からすり寄ってきたゾンビが俺の足首を掴んでいた。マズい。ここまで来て噛まれてたまるか。
「この……クソ野朗がァ!!」
腐ったゾンビの頭に思い切りパイプを突き刺した。
「あっ」
抜けない。パイプがゾンビの頭から抜けない。なんで振り下ろさなかったんだ。気がついたら、別のゾンビの口が目の前に迫っていて、…………ハルコ先輩。
俺は後ろに引っ張られて吹っ飛んだ。
「コウくん!!!!起きて!!走るよ!!」
外だった。地面が頰の横にあった。ミチルがドアをこじ開けて、俺を引っ張ってくれたらしい。件のドアに目をやると、今まさにハルコ先輩のゾンビがそこから出てこようとしていた。
肩の力で全身を持ち上げた。右足は酷く痛むが我慢すれば走れそうだ。
「ミチル!」
俺はミチルのブラウスを掴んで裏手の森へと走り出した。
あれからいくら歩いただろうか。ようやく道路に出た。夏の日差しはあまりにも強く、照り返しに目が眩む。身体がかなりの脱水症状になっているのがわかる。ドアを蹴り続けた右足はもはや痛いのかも分からなくてなっていた。フラフラになりながら歩く。とりあえず下っていけば人に会えるはずだ。
さらに歩いた。100mくらい先に民家と畑が見えた。誰か住んでいそうだ。走ろうと思ったが、もう身体がついていかなかった。あえなくゆっくりと進む。
「お…………い、だれ……か」
建物から逃げ出すときに叫びすぎたのか、それとももう声帯に水分がないのか、掠れ声しか出なかった。よろけつつ民家に向かう。
そして、民家の裏から人影が出てきたのを見つけた。人影はこちらに気づいたようだった。一瞬驚いたが、ぼろぼろの俺の姿を見て慌てて駆け寄ってくる。
よかった。これで、助かった……。
菊池正樹が自宅前の坂道を降りてくる人影を見たのは、一日の仕事を終え、リアカーを倉庫にしまった後だった。その人は、おぼつかない足取りで坂を降りてきていた。顔は逆光で上手く見れなかった。
正樹は疑問だった。どうしてこの人は徒歩でこんな夕方にここを通っているのだろう。近所連中(といっても300mは離れている)がここを通るなら、必ず原付か車のはずだ。妻の道枝なら運動のためにこの辺を散歩するが、道枝は一昨年脳卒中で死んだ。正樹ももう年寄りの部類だ。仕事以外で歩き回る元気もない。
「こんばんは、どうされました?」
正樹は呼びかけたが、若者(そのときようやく服装が分かった)は返事をしなかった。正樹は一瞬不気味に思った。
もしかしたら——交通事故にでもあったのではないか。正樹はそう考えた。一人でここらを歩いているのも、ふらついているのも説明がつく。それなら早く救急車を呼ばなければいけない。
「大丈夫ですか!?」
正樹は若者に駆け寄った。彼の肩に手をかけた。
その時ようやく若者の顔の様子がおかしいことに気がついたが、既に遅かった。左肩が急に熱くなった。すぐにそれが痛みだと気づいた。若者が肩に噛みついていた。若者は歯をギシギシ動かして、筋繊維をボロボロにし、正樹の肩から肉を引きちぎった。正樹は未だない痛みに声すら出なかった。
若者は更に正樹の首筋を噛みちぎった。意識がスーッと引いていった。若者は正樹の腹の肉を服ごと掴むと、音を立てて引き裂いた。腹から腸を引きずり出すと、若者は美味そうにそれを口にした。正樹にはもう痛みを感じるための意識はなかった。とうに屍人と化していた若者は本能のままに正樹の死体を漁っていた。
よかった。これで、助かった……。よかった。よかった。助かった。助かった。よかった。よかった…………………………
医者の仕事は難しい【SS】
「先生、いいんですか。仕事お願いしても。この病院に来たばかりで忙しいんじゃありませんか」
「いえ、ここでできることなんて仕事しかありませんので。是非お願いします」
「分かりました。くれぐれも無理はなさらないでくださいね」
「えぇ、重々承知しております」
「わざわざ取りに来てもらってすみません」
「いえ、構いませんよ。先生の仕事が早くて助かります」
「はは、この病院がいいんです。ものすごく仕事が進みます。環境に恵まれています」
「それはこちらとしても嬉しいです」
「先生、無理しすぎじゃありませんか。きちんと寝られてますか」
「大丈夫ですよ。きちんと睡眠はとっています」
「そうですか、ならいいのですが……。無理だけはやめてくださいね」
「しませんよ、大丈夫です。無理なんてしたら怒られちゃいますからね」
「はは、そうですね」
「先生、休みをとってください」
「なに言ってるんですか……大丈夫ですよ。僕はこの仕事が生きがいなんです。誰かの役に立ちたい。それもできないなんて生きてる意味がない……」
「ですが…………この間もここの先生方に怒られたんでしょう。仕事を回さないでくれ、と私も言われましたよ」
「そんな。少しでいいんです!!お願いです、高遠さん。仕事をください……。じゃなきゃもう……」
「分かりましたよ、どうせするなと言っても勝手にするんでしょう。ただし、ほんの少ししか出せません。物足りないかもしれませんが、我慢してください」
「ありがとうございます……ありがとうございます……」
「……」
「先生、ダメです。もう絶対に仕事したらダメです。勝手にするのもダメです。寿命を縮めるような真似はやめてください」
「…………」
「これは持っていきます。しばらく休んだらまた仕事すればいいですから。今はともかく休んでください」
「…………てください」
「……え」
「返してくださいよ!!!!」
「ちょっと、身体動かさないで!」
「返してください!!返してください!!僕の生きる意味まで奪う気ですか!?なんの権利があって!!なんの権利があって!!」
「ダメはものはダメなんです!!とにかく、また来ますから!!それまで休んでください!!」
「高遠さん……高遠さん!!そんな……僕は……僕は」
〜〜〜〜〜
「西5のセンセイ、亡くなったらしいですよ」
「センセイ……あぁ、あの作家の先生か。あの人、有名な人だったみたいだね」
「らしいですね。僕は本読まないんですが、結構売れてる人って聞きました」
「ここに入院してからも原稿書いてたんでしょ」
「二内の先生が困ってました。いくら言っても寝ずに原稿書くのをやめてくれない。あれじゃ自ら死に歩み寄ってようなもんだって」
「自分の残った時間を思うと仕事せずにはいられなかったのかも」
「自宅に返したほうが良いんじゃないかってカンファで言ってた頃亡くなったみたいで」
「それは……」
「ちょうどその前に、二内の先生に頼まれた担当の方が仕事用のパソコンを回収したらしくて、そしたらもう一気に。書く仕事が命を削ってたと同時に最後の砦だったんでしょう」
「どうするのが正解だったんだろうか。難しいね、この仕事は」
「そうですね」
母親と私
うちの母親は過保護・過干渉である。
髪型とか服装とか食べものとか、会えば必ず彼女の思う「息子にとって正しい方」に矯正され(かけ)る。
僕個人としては、とうに成人しているのだし(まだ働いていないので親の金銭援助下であるが)、色々と自由にさせてほしい。犯罪でもしない限り、おおよそ自己責任の範疇でやらせてほしい。独立した一人の大人になりたい。とずっと思っていた。
しかし、僕がいくら年をとろうが、彼女にとって僕は息子なのだ。小さい頃から続けてきた「息子を正しい方に導く」習慣をやめはしないのだろう。むしろ、やめさせるほうが酷なのかもしれない。
逆にいえば、僕もすでに成人しているので、母親にお節介を焼かれても受け流すべきなのだろう。だが、僕は母親に彼女の考えを押し付けられると、反射的にかなり苛ついてしまう。
「僕はもう大人なのに、いつまで親の役割を手放さないつもりなんだ」
感情をコントロールできない。場合によっては彼女への言葉が荒くなってしまう。そして無駄な衝突を引き起こす。
母親に依存していた子ども時代から抜け出したい。なのに、母親はそれを許さない。そんな母親を認められない。長い間、そんな状態が続いた。しかし、しばらくして気づいた。僕は依存から抜け出したいと言いながら、それでいて母親に依存しきっていた。
本当に依存から抜け出したならば、(先に書いたが)母親になにを言われようと受け流せばよいはずだ。しかし、僕は「母親が僕を大人扱いしてくれない」と苛ついている。独立した大人になりたいと言いつつ、「母親にあなたはもう大人だ」と認めてほしがっている。独立した大人になったという自負があれば、母親に大人だと認められなくても構わないはずだ。しかし、僕はいつまでも「こども修了」のハンコを待っている。あんなに独立したいと思いながら、結局母親の承認を求めていた。
母親に対する態度を考え直さければならないかもしれない。大人なら、「母親が自分を大人だと認めてくれない」などと怒らずに、母親をまた別の独立の大人として尊重すべきなのだろう(親に自分を認めさせる役割を求めない)。過干渉状態でもそれをうまく受け流せるようになるべきなのではないか。
と考える一方で、「親の役割を放棄し、子どもを一人の独立した人間として承認する」ことが親の最後の役割なんじゃないか、とも思う。むしろそんな気がする。
なんにしろ、親との関係にはまだしばらく悩みそうだ。
「ごめんなさい」じゃなくて「ありがとう」が言える人間になりたい
「ありがとう」は、「ごめんなさい」を言うより難しい。僕はしばしば「ごめんなさい」に逃げてしまう。
社会(学校等含む)で生きていると、どうしても他人の力を借りることになる。なにかを手伝ってもらうのはもちろん、自分の話を聞いてもらうなども、他人の力を借りる行為に含まれる。
そういう時、力を借りた側である僕は、どうしても「ありがとう」より「ごめんなさい」や「すみません」を言いたくなってしまう。なぜなら、謝罪の言葉は、相手から「大丈夫ですよ」や「別にいいですよ」などの許しを引き出すことができるからだ。相手からの許しは「迷惑をかけてしまった」や「自分の行為は不快に思われたかもしれない」という罪悪感をやわらげてくれる。よって、僕は「ありがとう」より「ごめんなさい」を使いがちだ。
しかし、「ごめんなさい」は、相手になかば許しを強要しているとも言える。「ごめんなさい」を聞いた相手に、許すという行為を無理やりにでも通過させることになる。負担を強いているのだ。
謝罪じゃなくてもいい場面で、感謝でなく謝罪を選ぶのは、自分の罪悪感をやわらげたいエゴが含まれている。そして、謝罪の言葉は相手に許しを強要する。感謝は罪悪感の解消は得られないが、相手に負担をかけない。
罪悪感解消のための「ごめんなさい」に逃げずに、感謝の「ありがとう」を使っていきたいと思う。
まぁ。「他人の力を借りたあと」という文脈での「ありがとう」は多少なりとも謝罪の要素をもつので、「ごめんなさい」も「ありがとう」も変わらないという説もある。
超眠いしんどい。
72時間限定、50オーブでやる気メーター増量!!
最近、ブログをあんまり更新していない。読書や映画鑑賞もあまりできていない。
理由は最近部活の個人練の内容を増やしたからだ。
しかし、だからといって時間がないわけではない。個人練を終えても、本をめくる時間や映画1本見る時間や体力は十分に残っている。
なにが、ないのか。気力がないのだ。
部活の個人練を終えたら、自分のなかのやる気メーターを使い切ってしまう。そうなると、いくら時間が余って暇でもなにもする気が起きない。
もの凄く暇で退屈だけど、なにもしたくない。なにもしたくないのに、その退屈が耐えられない。そんな状況に最近しばしばおちいる。
僕のなかのやる気メーターの満タン値が決まっていて(しかも通常時はわりと低い)、それを消費しきると、能動的な行動がなにもできなくなる。本はページをめくれないし、映画は見始めることができない。だから、どんなに暇で退屈だとしても、能動的なムーブのためのガソリンがなく、退屈に身を置き続けるはめになる。
そこで、この状況を打破するために、やる気メーターが0になってから映画をみてみようと思った。個人練を終えて気力は尽きていたが、渾身の力を振り絞り、なんとか映画の再生ボタンを押すことに成功した。そうすると、観終わったときの疲労感がすさまじかった。気を遣う飲み会で朝まで起きていたような体の感触だった。気力がないのに無理してはいけない。もしくは、観たのが『悪魔のいけにえ』だったのが、疲労の要因だったのかもしれない。
とかく、人間には体力だけてなく、気力というものが明確に存在するとわかった。やる気メーターの上限をあげるアイテムがほしい。課金するから。
側頭葉「行き止まりの世界です」
最近、睡眠のコントロールができない。
実習が早めに終わる日もある。そんな日は有意義な一日にしようと、足取りも軽く、コンビニにもよらず自室に帰る。
リュックを投げ出して、本棚から前から積んでいる一冊を取り出す、ねじの回転。もしくは、弾けないギターをチューニングしはじめる。
僕の部屋にはカーペットがない。だから、ベッドに腰かけて、種々の物事を済ます。
布団にのって、ページをめくる。もしくは、ギターの基礎練習に取り掛かる。30分もしないまに、頭の左隅がぼんやりしてきたことに気づく。覚醒時は、たどたどしくも球形の脳のすべての範囲にアクセスできる。しかし、眠気が訪れると、まず頭の左隅がアクセス不能になる。(おそらくは本当に)電気が通じなくなって、脳のその部分から返事がなくなる。
(ちょうどこんな感じ)
物語が進むたびに、あるいはピッキングするたびに脳のなかのアクセス不可領域が増える。行き止まりが進行すると、頭の中全体がのぼんやりしてくる。こうなってくるともう座るのすら面倒になって、ベッドに横になりながらページをめくる。あるいは、する。
突然、電源がはいる。身体をベッドから起こす。首から下はまだ眠気を引きずっているが、頭だけが妙に冴えている。スマホを開く。Twitterで最後にみたツイートの時間表示が2時間前である。また寝過ごしてしまった。時計はもう18時になっていて、予約していた整体の時間は過ぎていた。
整体の先生に電話する。スマホの向こう側の先生は怒ることもなく(客商売だからね)、新しい予約を入れてくれた。ベッドに座ったまま、一呼吸つく。また時間を無駄にしてしまった。さらに人との予定をないがしろにした。明日もまたすぐ実習だから空き時間はとても貴重なのに。もうすぐ本腰を入れて国試の勉強をしないといけないから自由時間は無駄にしたくなかったのに。そういってしばらく、だれでもある自己嫌悪に沈む。
そうやって生まれた、「1日の遅れ」を取り戻すべく、夜更かししてまた次の日に睡魔に負ける。
こうみると原因は明白なのかもしれない。一度はぜんぶ忘れて10時頃から寝ようかと思う(きっと4時が覚める)。