slowly

Watabera Miscellaneous Notes

人生やめてません

オタク構文は言葉を殺す

初めてのブログは、です・ます調で書いたら非常に香ばしい文章が出来上がったので、
今回はだ・である調で書きたいと思いま…思う。



大学に入って幾年経った僕の語彙力は知らぬ間にガンガンに削れていた。

高校時代はこうやって文章を書こうとしたりしなかったけれどもあの頃の方がまだマシだったと思う。

今じゃ古文の「いみじ」に対応する現代語も「ヤバい」と「すごい」と「半端ない」しか知らないこの有様である。



何故こんなことになったかというのが「ネットスラング」とかいう奴(を使いまくった自分)のせいなのである。

確かに「お前が元からボキャ貧だったのをネットのせいにするな」と考える人も少なくないだろうが、

ここで槍玉にあげるからにはそれなりの考えがあるのである。

どうか授業中にTwitterで時間を潰している大学生はこのまま読み進めてほしい。



まずはその単語自体について述べよう。

ネットスラング、インターネットスラング

wikipedia大先生によるとその定義とは

『インターネットスラングは、文字通りインターネットで使用されるスラング

らしい。

そのまんまかよ。

要は「ネット上の一部あるいは全体で使われている、その集団でしか意味が通じない造語」なのだ。現実世界で使っちゃだめだぞ。



具体的に例をあげると、

古くは「orz」や「藁」や「乙」から始まり、

Twitterで使われていた(いる)「なう」「わかる」「それな」など、

英語圏だと「lol」なんてものを使ったりするらしい。

また、最近のものだと「ンゴ」などのなんJ語、

「たまげたなぁ」「ファッ!?」「オナシャス」「微レ存」の淫夢語録、

「〜って感じだ」「〜なんだよなぁ」「ぽきた」「セイク」などのオタク構文等々があり、

様々なコンテンツで様々なスラングが日夜使われているのである。

(オタク構文自体がTwitterスラングだし、淫夢語録はなんJ語に含めないのか色々あるだろうけど許して)



では何故ネットスラングなんてものが流行ったのか。

直接的な成因には誤字、誤変換、略語などがあるがそれは置いておく。

スラングのポテンシャルとしての成因、つまり何が、ミームとして成り立つほどの多くの人にスラング使用を促進させたのかについて考えたい。



僕が考える理由としては以下の物がある。

①打ちやすい(打鍵する手間

略語系、「w」「乙」などはこれが大きい。「笑い」や「お疲れ様」と打つより一文字で済ませられる方が圧倒的に楽なのだ。

だから、使用する人が途切れずに続きやすい。

何らかのネタ、コンテンツに基づいていないスラングはこの系統が多いように思える。

「〜〜ですけど、それは大丈夫なんですかね?」なんかの淫夢語録はこの理由は関係ない。どう考えても打ち込むのが手間である。


②ネタが思考不要という手軽さ

スラングの中には応用が利く物も多いが基本的にはそれ単体で使ったり語尾につけたりするだけでよい。

文やネタを考えなくても、知ってるスラングをはめ込みさえすれば誰でも簡単に相手とコミュニケーション出来るのだ。

自分の文章力や語彙力の高さに関係なく一定のクオリティの発信やレスポンスが可能になるのだ。アイデアを使わなくてよいという利便性がある。

最近だとちょうどBORUTOに出て来た、腕につけるだけで螺旋丸が撃てるあの機械みたいなものである。


③簡単に集団帰属欲求が満たすことが可能

スラングはある集団でしか使用されない、集団に固有なものが多い。

したがって集団内スラングを使ってグループの一員として振る舞うことで、あるカテゴリに属していたいという帰属欲求が満たされるのである。

誤字、略語系は範囲が広すぎてこれに当てはまる場合が少ないが、なんJ語や淫夢語録などはこの影響が大きい。

お決まりのスラングを利用すれば、すぐに自分はなんJ民だ、淫夢厨なんだと思えるのである (嬉しいのか?それ

スラングは固定のものなので見た目にはコンテンツの初心者かどうかが分かりにくいのもポイントだ。

多くのネットコンテンツで初心者、ニワカは迫害される傾向にある。しかし、誰が使っても同じ文になるスラングさえあればそれが周りにバレないので楽にグループに入り込める。

仲間意識(一方的なものではあるけど)を育むのも容易だ。

また、スラングが集団の外やニワカに誤用されてたり過剰使用されたりすることに過剰反応するのもこの所属欲求が関係していると思われる。

集団の外の誰でもが使うようになってしまうと、スラングを使ってもアイデンティティが確立出来ないのだ。

微レ存がアイドルの曲名に入った時に反応した淫夢厨が思い出される。

まぁあんな汚い由来の語録がアイドルに使われたら笑うのも分からなくはないが。


④複雑な意味やニュアンスを短めに表すことが出来る

これは①とも被るが略語系ではなく、
ネットスラングには「本来は長い説明が必要なものを一連の言葉にまとめたもの」が存在する。

「大友(大きなお友だち)」というのは「プリキュアアイカツ等の女児アニメを対象年齢ではないのに見ている(世間から見れば)おかしな人たち」を表し、
黒歴史」は「後から振り返ると消してしまいたくなる恥ずかしい過去」という意味になる。

一々こんな説明を挟んでいたら面倒だし何より読みづらくてしょうがない。
スラングは一言端的にまとめることでそれを解消してくれる。

他にも「メンヘラ」なんかも上の二つに準ずるだろう。


⑤受け手が理解してくれやすい

これは②と被るが、集団内スラングはそのかたまりの中において共通言語の役割を果たしており、基本的に注釈をつけなくても伝わる。

また言葉の中で伝えたい本当の意味やニュアンスというのは自分が作った文よりも画一化されたスラングの方が相手に真意を誤解されにくい。

「あの人ってTwitterで格言をRTしたりスタバで本読んでる写真をあげてたりで向上心が凄いよね」と言うよりは
「あの人って"意識高い系"だよね」と
言った方が馬鹿にしてる行間が伝わりやすいだろう。

意思伝達の手段としての信頼性もネットスラングは高いのだ。




細かく言えばまだあると思うが大まかにはこの5つくらいだろう。

まとめればネットスラングとは、
『便利で』『面白く』、使うと『ちょっと心地いい』もの
なのである。

だから多くの人がスラングを使い始めそして使い続けて、やがて一つの形として定着する。



ここまでネットスラングがどのようなものか書いてきたが、
これだと特に害を起こすような存在ではなさそうに思われる。

便利だし、人を笑わせられるし、自分も楽しい。

しかし、やっぱりコイツに僕の国語力はたこ殴りにされたのである。

それは何故か、
形が決まっているからだ。

当たり前といえば当たり前だが、
先に述べたようにおおよそのスラングは固定形なので、
書き込む際に"文を作る"という頭の使い方をしない。

なのでスラングばかりを延々使っていると徐々に俗語たちが普通の語彙や文法に入れ替わり、その結果一般的な言葉の使い方を忘れてしまう。

そしていつの間にやら文章の書き方が分からなくなっているのだ。

例えるなら、コンビニのインスタント食品だ。チンするだけで美味しいハンバーグが食べられ、皿に出すだけでサラダを家族に提供出来る。

仕事や勉強で疲れた日本人に役立つ文明の発明の一つだ。勿論僕も利用している(ファミマのごぼうサラダが好き)。

しかしこうやって手間のかからない食事を繰り返している内に私たちは、
ハンバーグの美味しい焼き方を忘れ、
野菜を刻むコツを忘れる。

料理しなくたっていいのなら、必要ないものは僕らの身体は忘れてしまうのだ。

やがて、今日は自炊するぞ!と息巻いた時に気づくのである。

あれこんなに料理下手だったけ、と。



さらに具体例として"自分語り"をするならば(やはりスラングは端的に表現出来て便利)、

Twitterから入って色んなネットミームに馴染んだ僕は、手軽さや面白さから呟きやラインの一部にそれらを使い始める。

そして全くもって思考が篭っていない言葉をTLに量産した。その方がある集団に向けて「自分は仲間だ」とアピール出来るし、自分で考えるよりもウケのいいツイートが出来たからだ。

その内にその状態が当たり前になってきて自分の中でのカジュアルな文章表現のやり方の基盤に数多のスラングが根付いてしまった。

気づいた頃にはもうまともな文章が書けなくなり、語彙力の低下がすごくてヤバいくらい半端ないことになっていたのである。

なんだか某テレビ番組の某しくじり先生みたいになっているが、大体の流れはこのような感じである。



結局今まで書いたことの要旨をあり大抵に言うならば、

スラングはネット上で発信する時に非常に手軽で有用なものだが、

その手軽さにかまけて頼りすぎると自分の言葉で語れなくなり、現実で困ることなる。

だからネットスラングは上手に使って依存しないようにしよう。

という自分への戒めである。



分かりきったことをわざわざ捏ねくりましただけの文になってしまったが、

自分の中での考えを整理出来たのでこの辺で今回のしくじり先生は終わりたいと思う。

これからは俗語に頼りきらない文章を書いていきたい。

……

はぁ。

久しぶりにこんな長々と書いてきたので疲れた。

なんだか、

眠くなってきたな……

……

そ…

そり…

そりでわ、無限に練りをしまつ

ぽやしみ~

 

 

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