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Watabera Miscellaneous Notes

人生やめてません

臨床実技が怖い。失敗が怖い。失敗して人に嫌われるのが怖い。

 

 実習が怖い。実習の実技が怖い。上手くいかないかもしれない。相手に嫌な思いをさせるかもしれない。相手にダメなやつだと思われるかもしれない。それを考えてキョドってしまうかもしれない。キョドったのを見られてキモいと思われるかもしれない。実習の実技が怖い。

 

 昔から手先が不器用だった。折り紙はどう完成させてもシワがついていた。プラモデルは作ってる最中にパーツが折れた。ラップは取り出した瞬間に勝手にくっついた。手先を使う作業のたびに失敗が頭をチラつくようになった。

 

 だから、医学科に入って高学年になったときすでに、採血とかの手技に苦手意識が生あった。実際、そんなに失敗した経験があるわけでもないのに。今までの人生の失敗が身体に染み付いていて、どうせまた失敗すると僕に言うのだった。

 

 多分臨床手技は、何回か失敗してもそこから慣れていけばよいのだ。だから、下手に苦手意識をもつ必要なんてない。なのに、どうせ失敗すると心窩部から声がする。僕は手技ができない、という観念に頭を支配されている。

 

 だから、病院実習の実技が怖い。

 

 明日、実技がある。人に対して針を扱わないといけない。すごい怖い。失敗しそうで、怖い。

 

 今日の午後から明日の実技を考えて、不安定になっている。失敗するかもしれない。失敗したら相手に嫌な思いをさせてしまう。嫌な思いをさせて、相手から嫌われてしまうかもしれない。怖い。

 

 僕自身、ろくでもないと思うのが、この恐怖がひたすらに自分の保身だけ考えていることだ。実技が失敗して誰かに痛い思いをさせるのが怖いんじゃない。痛い思いをさせた誰かから憎まれるのが、怖いのだ。相手のことを思う恐怖ではない。ただのエゴイスティックな恐怖だ。いや、恐怖なんてそんなものか。

 

 手先が不器用でたくさん失敗してきた。だから、手先を使う臨床手技にも苦手意識が生まれた。明日はその臨床手技の実技だ。苦手意識が失敗を予感している。人相手に失敗するのが怖い。失敗したら、その人は僕にマイナスの感情を抱くだろう。それが嫌だ。実技が怖い。誰かの前で失敗したくない。

 

 このブログを書き始めたころより、少しは自信がついてコミュニケーションができるようになった。しかし、相変わらず、他人のまえで自分の不出来が露呈するという事態に対する恐怖や不安が大きい。人前で失敗しそうな予定があると、それで頭がいっぱいになって、不安が継続する。心窩部にドロドロしたなにかがへばりつくようなイメージがある。

 

 誰かの前で失敗したくない。他人に、できないやつだと思われたくない。明日の実技が怖い。明日どうなってしまうんだろう。とりあえず、薬を飲んで気分を安定させて頑張る。

 

 建設的なことを考えよう。薬を飲んでなんとか明日を乗り越えても、本質的な解決はない。人前で失敗することへの恐怖や、他人にマイナスの感情を向けられる恐怖は残ったままだ。

 

 落ち着けば、人前で失敗するのが怖いとか、誰かに嫌われたくないとかはごく当たり前の感情だ。誰でも持っている。そして多分消しきれはしない。それでも、多分僕はその感情が他人よりも重い。重くて生活に支障が出る。重さを改善したい。

 

 これらの感情はエゴイスティックな感情だ。決して他人のためではない。明日の実技に話を戻すが、その実技は僕のためでなく相手のためにするものだ。だから、僕がそんな恐怖にとらわれているのは、ある意味相手に不誠実なのかもしれない。自分の失敗ではなくて、相手のために上手くやることを意識したら恐怖は紛れるのではないだろうか。

 

 このことを普遍的な事項に広げたい。失敗への恐怖や他人からの嫌悪への恐怖はエゴである。エゴであるゆえにその恐怖について考えれば考えるほど、視線は自分の内側に向くことになる。結果的に現実や他人まで意識が回らなくなる。そして、より失敗や他人からの嫌悪を自ら呼んでしまう。つまり、考えないようにすることが恐怖脱却の道なのだ。

 

 しかし、考えないといっても、恐怖を意識の外に放り投げるのは難しい。だから、違うことを考えればよい。自分のなかを見つめるのでなく、他人に目線を移せばよい。他人がどう思うかを尊重しようとすればよい。明日の実技でいえば、失敗したらどうしようと思いに捕らわれるのではなくて、相手がなるべく痛い思いしないように考えを巡らせるのだ。

 

 他人に悪く思われたくない。その恐怖は、他人の存在がなければ起こらない。にも関わらず、自分の内側ばかり見ていては、問題の根本に触れられない。恐怖は解決するはずもない。だから、他人のほうに視線を移す。どうしたら他人が喜ぶか、どうしたら他人が痛い思いをしないか。その考え方こそが、問題の根本を実在的に解決してくれるはずだ。

 

 すこし楽になった。明日の実技は、どうしたら相手がなるべく痛い思いをせずに済むか、意識しようと思う。

 

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