綿箆雑記帳

日常で思ったことの雑記、メンヘラとオタク考察、書評、創作

『数学文章作法 基礎編』 紹介

 

 

 自分の文章に読みにくさを感じたこと、あなたはないだろうか。 

 

「ゴチャゴチャして読みにくいし、なにが言いたいのか分からない……」

 

 僕のことだが、よくある話でもあるだろう。

 

 

 読みにくい文章しか書けないと、困ることは多い。

 文章を書く行為が、我々の日常生活に浸透しているからだ。

 社会人は、業務用の書類やメールを書かなければならない。

 大学生は、レポートやプレゼン用のパワーポイントで文章を書く。

 プライベートでも、メールやLINE、TwitterfacebookなどのSNSに文字を打ち込む。

 好むと好まざるに関わらず、我々は文章を書かなければ生活できない。

 それゆえ、読みにくい文章しか書けないと、様々なひっかかりが生じる。  

 

 

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「毎日文章を書くのに、読みやすい文章を書く技術がない」

「分かりやすい文章が書けたら、色んな部分で楽になるのに……」

 

 そんな方にオススメしたいのが、今回紹介する『数学文章作法 基礎編』である。

 作者は、『数学ガール』シリーズの結城浩だ。  

 

数学文章作法 基礎編 (ちくま学芸文庫)
 

 

 

本の概要    

 

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「数学?」

「別に数学の論文を書く気はサラサラないですけど……」

「数学が出てくると分かりにくそう……」

 

 のように思う人もいると思う。

 しかし、心配しないでほしい。

 この本は、別に数学科の学生の教科書ではないのだ。  

 

 

 では、一体なんの本なのか。

 この本は、正確で読みやすい文章を書くための原則を紹介する本である。

 そのために、数式まじりの文章を題材として用いている。

 この本では、数式まじりの文章を読みやすくするためのポイントを、一冊かけて紹介していく。

 そのポイントは、数学系の文章だけでなく、全ての文章に通じるものだ。

 数式は具体例というだけである。 

 実際は、普遍的に使用出来る文章作法を教えてくれる本なのだ。

 

 また、数学が出てくると分かりにくいのでは、という心配も杞憂である。  

 この本は、数学が苦手な読者のことも考えた説明がされている。  

 積分が解けなくても、方程式が解けなくても、この本の内容は理解できる。    

 

 

内容の例    

 

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 ひとつ、文中の内容の例として、「例についての解説」を一部要約しよう。

 

 

 さて、以下の2つの文章のうち、どちらが分かりやすいだろうか。

 詳しく言えば、どちらが自然数を理解するのに良い例示だろうか。  

 

「1,2,3,…のような,1以上の整数を自然数と呼びます.」  

 

「1,2,3,…のような,1以上の整数を自然数と呼びます. 0や-1は自然数ではありません.」  

 

 当然後者である。  

 0や-1という当てはまらない例を提示することで、自然数の概念の輪郭をハッキリ捉えることができる。

  以上の例を用いて、

「文章中の例示では、典型例だけでなく、当てはまらない例も導入すると、より分かりやすい」

 ということを示している。

 

 

 このような調子で、数式まじりの説明文を用いて、文章を書くのに必要な原則を教えてくれる。    

 

 

お勧めポイント    

 

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 これだけではこの本の魅力が伝わらないと思う。

 そこで、お勧めポイントを挙げていく。

 以下の4つである。  

 

・読者の重要性を叩きこまれる

・具体的なルールを紹介してある

・単純に分かりやすい

・この本自体が壮大な一つの例である

 

 

・読者の重要性を叩き込まれる

 

 この本では、終始一貫「読者のことを考える」をメインテーマとして主張している。

 これが、『数学文章作法 基礎編』の最大の特長、売りである。

 ではなぜ、読者を重視していることが、この本の長所となるのか。

 以下に説明する。

 我々は、読みやすい文章を書くために、この本を読む。

 では、読みやすい文章とは、「誰にとって」読みやすいのだろうか。

 当然、読者である。読みやすいかどうかを決める人は、読者だ。

 すなわち、「読みやすい文章を書く」という目的において、読者は最重要ポイントなのだ。

 よって、「読者のことを考える」ことは、読みやすい文章への最短ルートとなる。

 それを徹底的に主張しているから、この本は優れているのだ。

 

 

・具体的なルールを説明してある

 

 この本では、読みやすい文章のための原則を、具体的に示してある。

 たとえば、二重否定を使わない、列挙には個数も併記する、など。

 よって、自分が文章を書くときに、そのまま流用できる。内容を自分で噛み砕く手間が必要ない。

 文章教則本のなかには、観念や意識的な教えが多いものがある。

 そういう本を一通り読んで分かったつもりになっても、いざ書くとなると、手助けにはならない場合も多い。

 しかし、この本では、具体的な指示のみが載っている。

 一度読めば、書きながらそのまま適用できる。

 また、推敲時のチェックリストとして用いることもできる。

 

 

・単純に分かりやすい

 

 当たり前だが、この本自体が読みやすい。

 読者が理解という壁を越えやすいように、図、例、まとめを順序よく配置してある。ちょうど階段を作るような具合だ。

 そのため、読者が内容に置いていかれることはない。

 また、ページが視覚的に整理されている。そのため、内容が頭に入ってきやすい。

 難しすぎて本を放り投げることはないだろう。  

 

 

・この本自体が壮大な例示である。

 

 また当たり前であるが、この本自体が「数学的文章作法」に基づいて書かれている。    

 よって、2回、3回と読んでいくと、「読みやすい文章のための技術」が、文章の随所に使われていることが分かる。

 語句、形式、順序と階層など、作者が自分で教えている通りに文章が整えられている。

 つまり、この本自体が一つの大きな例なのである。

 注意深く読むことで、我々はさらに理解を深めることができるのだ。

 

 

 以上の4つが、僕がこの本をおすすめするポイントだ。

 

 

まとめ
 

 日常で文章を書くことは多い。

 しかし、読みやすい文が書けなくて困っている。

 そんな人は、是非一度読んでみてほしい。

 また、どうやって数学を用いて文章術を教えるのだろうと、興味がある人にも読んでみてほしい。

 どちらだとしても、十分に満足することができるだろう。

 

数学文章作法 基礎編 (ちくま学芸文庫)
 

 

 最後に、僕はこの本を以下の動画で知った。

 観ると、数式まじりの文章作法に、より興味を持てると思う。

 別に、出てくるキャラクターを知らなくても平気なので、チェックしてみてほしい。

 

 

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